
今週の相場水準
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 日経平均株価 | 66,405.56円 |
| PER | 17.36倍 |
| PBR | 1.90倍 |
| EPS | 3,825.21円 |
| BPS | 34,950.29円 |
| 益回り | 5.76% |
| 配当利回り | 1.67% |
日経平均のPERは17.36倍です。変動の大きい13〜21倍のレンジで見ると、ほぼ中央にあたる17倍前後の水準で、割高でも割安でもない状態です。
今週の相場の見方
今週は需給×金融政策×地政学の3つが重なる相場です。
最大の焦点は需給です。8月31日はTOPIX(東証株価指数)の構成銘柄見直しにおける判定基準日にあたり、同じ日の大引けではMSCIの指数定期見直しも実施されます。さらに9月上旬には日経平均株価の秋の定期入れ替えの発表が控えています。指数に連動して機械的に売買されるパッシブ資金が、短期間に集中して動く時期です。四半期末が近いこともあり、機関投資家のポジション調整も出やすくなります。
金融政策面では、米国はウォーシュFRB議長がインフレへの警戒姿勢を示し、9月15〜16日のFOMCに向けて金利の方向感を見極める展開です。その手前で9月4日に米雇用統計、9月10日に米消費者物価指数が発表され、結果次第で金利と為替が大きく動きます。国内でも9月17〜18日に日銀の金融政策決定会合が予定されています。
地政学・為替面では、ドル円が160円台まで円安が進み、日本の通貨当局による為替介入への警戒が強まっています。中東情勢や米国の関税政策も引き続き相場のかく乱要因です。資金は、割高感のある銘柄から、業績の裏付けがある銘柄や指数の需給が改善する銘柄へ向かいやすい地合いです。一方で、小型株には指数入れ替えに伴う売り圧力がかかりやすくなります。
今週からの注目イベント一覧
日付が明確なイベント
- 2026年8月31日 TOPIX構成銘柄見直し(第2段階)の判定基準日
- 2026年8月31日 MSCI標準指数 8月定期見直しの適用(大引け)
- 2026年8月31日 中国8月製造業PMI・非製造業PMI
- 2026年8月31日 ドイツ8月消費者物価指数(速報値)
- 2026年9月1日 米8月ISM製造業景況指数
- 2026年9月1日 米7月JOLTS求人件数
- 2026年9月1日 ユーロ圏8月消費者物価指数(速報値)
- 2026年9月2日 米8月ADP雇用統計
- 2026年9月2日 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
- 2026年9月2日 カナダ中銀 政策金利発表
- 2026年9月3日 米8月ISM非製造業景況指数
- 2026年9月3日 ニュージーランド準備銀行 政策金利発表
- 2026年9月4日 米8月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率)
- 2026年9月4日 ユーロ圏7月小売売上高
- 2026年9月7日 中国8月貿易統計
- 2026年9月8日 日本4-6月期GDP改定値(2次速報)
- 2026年9月8日 日本7月経常収支
- 2026年9月8日 日本8月景気ウォッチャー調査
- 2026年9月9日 アップル 新製品発表イベント(iPhone 18 Proなど)
- 2026年9月10日 米8月消費者物価指数(CPI)
- 2026年9月10日 ECB理事会 政策金利発表
- 2026年9月11日 米8月生産者物価指数(PPI)
日付が未確定・継続中のイベント
- 9月上旬〜中旬 日本経済新聞社による日経平均株価「秋の定期入れ替え」発表(10月1日算入)
- 9月上旬 OPECプラス有志8カ国会合(10月の生産方針)
- 9月中旬 米FOMC(9月15〜16日)を控えた持ち高調整
- 10月中〜下旬 JPX総研によるTOPIX新構成銘柄の公表
- 継続 ドル円の円安進行と日本の通貨当局による為替介入への警戒
- 継続 米国の関税・通商政策を巡る協議
- 継続 中国の不動産市場テコ入れ策と追加の景気対策
- 継続 中東情勢と原油価格の変動
今週の注目イベント5選
1. TOPIX構成銘柄見直しの判定基準日(8月31日)
TOPIX(東証株価指数)は、東京証券取引所に上場する多くの銘柄で構成される代表的な株価指数です。現在、構成銘柄を絞り込む「第2段階の見直し」が進んでおり、その判定基準日が2026年8月の最終営業日、つまり8月31日の終値にあたります。この日の株価水準が、指数に残れるかどうかを左右します。
選ばれる基準は、浮動株ベース時価総額(市場で実際に売買される株式の時価総額)の大きい順に並べ、上位からの累積比率で判定する仕組みです。すでに構成銘柄となっている銘柄は累積97%以内が継続の目安、新たに採用されるには累積96%以内に入る必要があります。今回の見直しでは、従来のプライム市場だけでなくスタンダード市場・グロース市場の銘柄も対象になる点が大きな変更です。
注目ポイント
- 判定は8月31日終値のデータで行われ、初回の入れ替えは2026年10月最終営業日に実施される
- 基準を満たさない銘柄も即座に除外されるわけではなく、2026年10月から2028年7月まで四半期ごとに8回、12.5%ずつウエイトが段階的に引き下げられる
- 2027年10月の再評価で継続基準を満たせば、ウエイト引き下げは停止される
- 今回の見直しでは600を超える銘柄が対象になる見込みで、TOPIX史上でも規模の大きい入れ替えとなる
株式市場への影響:TOPIXに連動する投資信託やETF(上場投資信託)は、指数のウエイトに合わせて機械的に売買します。そのため、ウエイトが下がる銘柄には継続的な売り需要が、新規採用される銘柄には買い需要が発生しやすくなります。特に普段の売買代金が小さい小型株ほど、同じ金額のパッシブ売買でも株価が動きやすい点に注意が必要です。指数全体としては大型株の比重が高いため、TOPIX自体の値動きへの影響は限定的とみられています。
株式投資での見方:判定は8月31日で終わりますが、実際の入れ替えは10月末で、しかもウエイト調整は2年かけて段階的に行われます。つまり需給の影響は一度で終わらず、長い期間に分散して出てくる形です。小型株を保有している場合は、自分の銘柄が継続基準の付近にあるかを意識しておくと、値動きの背景を理解しやすくなります。なお、除外は企業の業績や事業内容が悪化したことを意味するわけではありません。指数の需給と企業価値は分けて考えることが大切です。
2. 米8月雇用統計(9月4日)
米国の景気と金融政策の方向を占ううえで、最も注目度が高い指標です。非農業部門雇用者数と失業率、平均時給が同時に発表されます。8月末には過去分の雇用者数が大幅に下方修正されており、労働市場の減速度合いに市場の関心が集まっています。
注目ポイント
- 雇用者数が市場予想を上回るか下回るか
- 失業率の変化と平均時給の伸び
- 9月15〜16日のFOMCでの金利観測への影響
株式市場への影響:強い数字ならインフレ再燃と金利上昇が意識され、株価の重しになりやすい一方、弱すぎる数字は景気後退懸念につながります。適度な減速が最も株価に好都合とされます。発表直後はドル円と米金利が振れやすく、日本株にも波及します。
株式投資での見方:結果が出るまでは大きな方向性を決めつけず、発表後の金利と為替の反応を確認してから、輸出関連や金融関連の動きを見ると判断しやすくなります。
3. 米8月消費者物価指数(CPI)とECB理事会(9月10日)
同じ日に、米国のインフレ指標と欧州の金融政策発表が重なります。米CPIは9月FOMCの直前に出る最後の主要物価指標で、結果が金利観測を大きく左右します。ECB理事会では政策金利と今後の利下げ姿勢が焦点です。
注目ポイント
- CPIの総合指数とコア指数(変動の大きい食品とエネルギーを除く指数)の伸び
- 関税による物価押し上げが数字に表れるか
- ECBの声明とラガルド総裁の記者会見の内容
株式市場への影響:CPIが高ければ金利据え置きが意識され、ハイテク株など金利に敏感な銘柄が売られやすくなります。低ければ利下げ期待から株価が支えられます。欧州の金融政策はユーロと欧州株を通じて世界の株式に波及します。
株式投資での見方:物価指標の前後は値動きが荒くなりがちです。ポジションを大きく傾けず、結果を見てから金利敏感株の方向を確認する姿勢が無難です。
4. MSCI定期見直しと日経平均「秋の定期入れ替え」(8月31日・9月上旬)
TOPIX以外にも、今週から9月にかけて指数の入れ替えが続きます。MSCIは世界の機関投資家が運用の基準にする代表的な株価指数で、年4回の見直しのうち8月分が8月31日の大引けで反映されます。日本株では1銘柄が新規採用、2銘柄が除外される見込みです。加えて、日本経済新聞社による日経平均株価の秋の定期入れ替えが9月上旬から中旬に発表され、10月1日から新しい構成で算出されます。
注目ポイント
- MSCIの入れ替えは大引けにまとめて執行されやすく、終盤に出来高が急増する
- 日経平均は「みなし額面」で調整されるため、株価水準の高い銘柄ほど指数への影響が大きい
- 過去の事例では、日経平均の採用銘柄の上昇が発表翌日の寄り付きでほぼ織り込まれるケースが多く見られる
株式市場への影響:対象銘柄の株価は発表から適用日にかけて需給で動きます。指数全体への影響は限定的ですが、個別銘柄では短期的に大きな値動きが出ることがあります。
株式投資での見方:採用・除外はあくまで需給要因で、企業の中身が変わるわけではありません。発表前の思惑買いと発表後の実需は分けて考える必要があり、買い需要が一巡した後の反落にも注意が必要です。
5. アップルの新製品発表イベント(9月9日)
アップルは9月9日に新製品イベントを開き、iPhone 18 Proシリーズや折りたたみ型iPhoneの発表が見込まれています。日本にはアップル向けに部品を供給する企業が多く、内容次第で関連銘柄が反応します。
注目ポイント
- 新モデルの販売価格と出荷計画
- 折りたたみ型など新カテゴリーの搭載部品
- 電子部品・半導体・精密機器の関連銘柄への波及
株式市場への影響:期待を上回る内容なら部品関連株に買いが入りやすく、逆に事前予想どおりだと「材料出尽くし」で売られることもあります。世界の消費動向を映すイベントとしても注目されます。
株式投資での見方:発表前に関連銘柄が上昇している場合は、すでに期待が株価に含まれている可能性があります。イベント通過後の反応まで見て判断すると振り回されにくくなります。
まとめ
今週から2週間の日本株相場では、注目すべき軸が3つあります。
1つ目は指数入れ替えによる需給です。8月31日はTOPIXの構成銘柄見直しの判定基準日であり、同日の大引けにはMSCIの定期見直しも適用されます。9月上旬には日経平均の秋の入れ替え発表が続きます。TOPIXの見直しは600銘柄超が対象となる大規模なもので、しかも2026年10月から2028年7月まで段階的にウエイトが調整されるため、需給の影響は今週で終わらず長期にわたって続きます。
2つ目は金融政策の方向感です。ウォーシュFRB議長のインフレ警戒姿勢のもと、9月4日の米雇用統計、9月10日の米CPI、そして9月15〜16日のFOMCと続きます。国内でも9月17〜18日に日銀の会合があり、金利と為替の変動が株価を動かします。
3つ目は為替と地政学です。ドル円は160円台の円安圏にあり、為替介入への警戒が続きます。介入があれば輸出関連株が急反転するリスクがあります。中東情勢や米国の関税政策も相場のかく乱要因です。
資金の流れとしては、割高感のある高PER銘柄から、業績の裏付けがある銘柄や指数の需給が改善する銘柄へ向かいやすい地合いです。逆に、TOPIXでウエイトが下がる可能性のある小型株には、パッシブ資金の売りが継続的にかかりやすくなります。イベントの前後は値動きが荒くなるため、結果を確認してから方向性を判断する姿勢が、短期の売買では特に大切になります。
本記事は投資情報の提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。