
今週の相場水準(2026年6月19日時点)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 日経平均株価 | 71,250円 |
| PER | 18.64倍 |
| PBR | 1.98倍 |
| EPS | 3,822円 |
| BPS | 35,985円 |
| 益回り | 5.36% |
| 配当利回り | 1.43% |
PERは18.64倍で、一般的な適正レンジとされる13〜21倍の中間よりやや上に位置しています。企業の利益(EPS)が着実に拡大しており、株価水準が業績改善によって支えられている局面です。
今週の相場コメント
今週は「日銀利上げ後の金融引き締め観測×AI・半導体主導の企業業績期待×外国人資金の持続的流入」が交差する相場です。
需給面では、外国人投資家が8週連続で日本株を買い越しており、2026年の累計買越額は約11.7兆円に達しています。買いの勢いは継続していますが、7月上旬に控えるETF分配金捻出売りへの意識が市場参加者の間で徐々に高まっています。
政策面では、日銀が6月16日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げました。31年ぶりの高水準となる政策金利を市場が消化する中、円高圧力と金融株への恩恵という2方向の動きが交錯しています。一方、米FOMCは6月16〜17日に政策金利の据え置きを決定。新FRB議長体制初回の会合にもかかわらず、市場への動揺は限定的でした。
地政学面では、中東情勢(イランを中心とした軍事的緊張)が原油価格の上昇要因として継続しており、エネルギー関連株や輸送コストへの影響が引き続き注目されます。
今後2週間のイベント一覧
- 2026年6月22日 中国 貸出基礎金利(LPR)発表
- 2026年6月23日 日本・米国・欧州 製造業・サービス業PMI速報値
- 2026年6月25日 米国 5月PCE価格指数・GDP確報値・個人所得発表
- 2026年6月26日 東京都区部 消費者物価指数(CPI)発表
- 2026年6月26日 米国 ミシガン大消費者信頼感指数確報値
- 2026年6月30日 中国 製造業・非製造業PMI発表
- 2026年6月30日 米国 JOLTS求人件数・消費者信頼感指数
- 2026年7月2日 米国 6月雇用統計発表
- 2026年7月3日 米国株市場休場(独立記念日振替)
- 6月下旬(継続) 3月期決算企業の株主総会集中期(1,000社超が集中)
- 7月上旬(継続) 国内ETFによる分配金捻出売り
注目イベント5選
① 米国5月PCE価格指数(6月25日)
PCE(個人消費支出)価格指数は、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ判断に最も重視する経済指標です。コアPCEと呼ばれる食料品・エネルギーを除いた数値が特に注目されます。
- コアPCEが前年比3.3%を上回る場合、インフレの根強さが意識され米長期金利が上昇しやすい
- 予想を下回った場合、FRBの年内利下げ観測が再燃しリスクオン相場が続きやすい
- 同日に米GDP確報値・個人所得も発表され、米経済の全体像が確認できる
今回のPCEデータは、FRBが年内の利下げに踏み切れるかどうかを左右する重要な判断材料となります。インフレの根強さが確認された場合、グロース株(AI・半導体など)には逆風となる一方、金融セクターへの資金シフトが起きやすくなります。
インフレ鈍化が確認されれば、AI・半導体関連株には追い風となります。日本株市場でも、米国株の動向を受けた翌日の相場変動に注意が必要です。
② 東京都区部CPI(6月26日)
東京都区部の消費者物価指数(CPI)は、翌月に発表される全国CPI(消費者物価指数)の先行指標として市場から注目されます。日銀の次回会合(7月30〜31日)を前に、追加利上げの可能性を探る重要なデータです。
- コアCPIが前年比2%を大きく上回っていれば、日銀の追加利上げ観測が強まる
- 利上げ観測が高まると円高進行→輸出関連株の逆風、銀行・保険などの金融株に追い風
- 予想を下回ると追加利上げ観測が後退し、輸出株に買い戻しが入りやすい
日銀はすでに政策金利を1.0%まで引き上げており、次の一手に対する市場の感度は高まっています。東京CPIの数値次第で、円相場と株式市場が短期的に動きやすい局面です。
銀行・保険・証券などの金融セクターは日銀の追加利上げによる恩恵を受けやすい立場にあります。このデータが出るタイミングで金融株の動向を確認しておくことが有効です。
③ 米国6月雇用統計(7月2日)
米国の雇用統計は、毎月第1金曜日に発表される世界で最も注目度の高い経済指標のひとつです。非農業部門雇用者数(NFP)と失業率が焦点となります。
- 雇用者数が予想を大幅に上回ればFRBの利下げ観測が後退し、米長期金利が上昇しやすい
- 失業率が上昇すれば景気減速懸念が台頭し、株式市場全体に下押し圧力がかかる
- 発表翌日(7月3日)は米国株市場が独立記念日振替休場のため、市場参加者が少なく値動きが荒れやすい
雇用統計が強い数字であれば、FRBの利下げ時期が遠のき、米長期金利の上昇を通じて日本株市場にも影響が波及します。特に輸出関連株(自動車・電機など)はドル円相場を通じた影響を受けやすいため、為替動向と合わせて確認が必要です。
雇用統計の発表直後は為替(ドル円)が大きく動きやすいため、輸出企業の株価への影響を見極めながら慎重に判断することが重要です。
④ ETF分配金捻出売り(7月上旬)
日経平均やTOPIXに連動するETF(上場投資信託)は、年に一度の分配金支払いに向けて保有株式を売却します。この売り圧力が7月上旬に集中するため、相場の需給が崩れやすい時期として知られています。
- 分配金捻出売りの規模は数千億円単位に上ることもあり、指数全体への影響が大きい
- 時価総額の大きい主力銘柄(ファーストリテイリング・トヨタ・ソニーなど)ほど影響を受けやすい
- 売り一巡後は需給が好転しやすく、押し目買いの機会となることも多い
需給イベントとしての性格が強く、企業業績や経済指標とは無関係に株価が下押しされる可能性があります。日経平均やTOPIXの指数が短期的に下落しても、業績が変わったわけではないと理解しておくことが大切です。
中長期の投資目線では、ETF売りによる一時的な調整が押し目買いのタイミングとなることがあります。特に業績好調な銘柄が需給要因で売られる局面は、仕込みの機会として注目されます。
⑤ 3月期決算企業の株主総会(6月下旬・継続)
日本では3月期決算企業の株主総会が6月下旬に集中します。今年は東証の「資本コストや株価を意識した経営」への要請を受け、増配や自社株買いなど株主還元強化の発表に注目が集まっています。
- 増配・自社株買い発表は株価のプラス材料として即日反応しやすい
- ROE(自己資本利益率)の改善計画や資本効率向上策が問われる
- アクティビスト(物言う株主)の提案が可決された場合、経営方針の転換が株価に影響
外国人投資家を中心に、日本企業のガバナンス改善と株主還元への関心が高まっています。株主総会で積極的な還元策を発表した銘柄は、短期的に資金が集まりやすい傾向があります。
保有銘柄の株主総会日程と議案については事前に確認しておくことが重要です。増配や自社株買いの発表があった場合、当日の株価動向を追いながら判断するとよいでしょう。
まとめ
今週から向こう2週間の相場は、日銀利上げ後の政策変化の消化と、米国のインフレ・雇用データという2つの大きな軸を中心に動きます。
最も注目すべきデータは6月25日の米PCE価格指数と7月2日の雇用統計です。インフレが根強ければ米長期金利が上昇しグロース株への逆風が強まり、鈍化が確認されればAI・半導体関連株への追い風が続きます。国内では、東京都区部CPIが日銀の次の一手(7月30〜31日の会合)を占う先行指標として重要な位置を占めます。
また、7月上旬のETF分配金捻出売りは短期的な需給悪化要因として意識しておく必要があります。一時的な下押し圧力が出やすい時期ですが、業績の変化を伴わない調整局面では中長期の視点で銘柄を選別する機会でもあります。資金の流れとしては、利上げ継続が見込まれる中で金融セクターへの関心が高まる一方、AI・半導体テーマは米インフレ指標の結果次第で方向感が変わる局面が続きます。