市況分析

日経平均が7万円を割り込む急落|2026年6月第5週の株式イベントまとめ

日経平均が7万円を割り込む急落|2026年6月第5週の株式イベントまとめ

今週の相場水準(2026年6月26日時点)

指標 数値
日経平均株価 69,360円
PER 18.06倍
PBR 1.92倍
EPS 3,840円
BPS 36,125円
益回り 5.54%
配当利回り 1.49%

PERは18.06倍で、13〜21倍の標準レンジ内では中間(17倍)をやや上回る水準です。前日比3,000円超の急落で株価が切り下がりましたが、PERベースでは依然として割高感が残る位置にあります。

今週の相場コメント

今週は「AI・半導体株の急落余波×米国雇用統計の結果待ち×ETF分配金に伴う需給圧力」が交差する相場です。

需給面では、6月26日(金)にOpenAIのIPO先送り観測と韓国半導体株の急落が重なり、ソフトバンクグループを中心としたAI・半導体関連銘柄に集中的な売りが入りました。日経平均の下落幅は3,005円と史上3番目の大きさとなり、終値で7万円の大台を割り込みました。今週は急落後の底値確認局面が続き、AI・半導体株から出遅れた内需・ディフェンシブ銘柄への資金シフトが注目されます。

政策面では、米FRBの利下げ観測が市場で燻り続けています。7月2日発表の雇用統計が焦点で、強い数字が出れば利下げ期待が後退してグロース株の逆風に、弱い数字が出れば利下げ観測が再燃して相場の支援材料になります。日銀の次回会合(7月30〜31日)を前に、国内経済指標の確認も欠かせません。

地政学面では、原油先物価格の上昇も続いており、エネルギーコストの増加を通じた企業収益への影響が引き続き意識されます。

今後2週間のイベント一覧(2026年6月27日〜7月10日)

  • 2026年6月30日 日本 5月完全失業率・有効求人倍率・鉱工業生産指数(速報)発表
  • 2026年7月1日 米国 6月ISM製造業景況指数発表
  • 2026年7月2日 米国 6月雇用統計発表(日本時間21:30)
  • 2026年7月3日 米国株市場休場(独立記念日振替)
  • 2026年7月7日 米国 5月個人消費支出(PCE)・貿易収支発表
  • 7月上旬(継続) 国内ETF(日経225・TOPIX連動型)による分配金捻出売り
  • 7月上旬(継続) AI・半導体株の動向(OpenAI IPO先送り観測・韓国半導体株余波)

注目イベント5選

① 米国6月雇用統計(7月2日)

今週最大の注目材料です。米国雇用統計は毎月第1金曜日に発表される世界最大級の経済指標で、今週は独立記念日振替休場(7月3日)の影響で7月2日(木)への前倒し発表となります。

  • 非農業部門雇用者数(NFP)の増減が最大のポイント
  • 失業率の上昇は景気減速懸念につながる
  • 平均時給の伸びが賃金インフレの確認材料となる

雇用が強ければFRBの利下げ期待が後退し、米長期金利が上昇してドル高・グロース株安につながりやすい展開です。逆に雇用が弱ければ利下げ観測が高まり、AI・半導体関連株を含むグロース株の買い戻しが起きやすくなります。

日経平均は7万円割れで底値を探る局面にあり、雇用統計の内容が来週以降の方向性を大きく左右します。発表後の為替(ドル円)の動きと合わせて確認することが重要です。

② 国内ETF分配金捻出売り(7月上旬)

毎年7月上旬は、日経平均やTOPIXに連動するETF(上場投資信託)が分配金の支払いに備えて保有株式を売却します。この需給イベントによる一時的な売り圧力は毎年恒例のパターンです。

  • 売り規模は数千億円単位に上ることもあり、指数全体に下押し圧力がかかる
  • 時価総額の大きい主力銘柄(ファーストリテイリング・トヨタ・ソニーなど)ほど影響を受けやすい
  • 売り一巡後は需給が好転し、相場が持ち直すケースが多い

今週の急落でAI・半導体株の売りが先行したことで、ETF分配金需給の売り圧力が一定程度織り込まれている可能性もあります。企業業績とは無関係な需給要因による下落であることを念頭に置いておくことが大切です。

中長期の視点では、ETF売りによる一時的な調整局面が優良銘柄を拾う機会になることがあります。業績が変わっていない中での株価下落は、銘柄選別の好機として考えることができます。

③ AI・半導体株の下落余波(継続)

6月26日の急落は、OpenAIのIPO先送り観測と韓国半導体株の急落が引き金でした。AI関連株のバリュエーション(株価の水準)への警戒感が市場で広がっています。

  • OpenAIのIPO時期が2027年以降に先送りされる可能性の浮上
  • 韓国SKハイニックス・サムスン電子の急落が国内半導体株に波及
  • ソフトバンクグループ・キオクシア・電子部品関連銘柄への売り継続
  • 米アップルの製品値上げに伴う需要鈍化懸念

AI・半導体関連株は短期間で大きく上昇してきた経緯があり、調整局面では値幅が大きくなりやすい特性があります。今週は出遅れた内需・ディフェンシブ銘柄への資金移動が起きるかどうかが注目されます。

急落があったからといって、AI・半導体の長期テーマが終わったわけではありません。業績の裏付けがある銘柄とバリュエーションだけで買われていた銘柄を区別しながら見極めることが、今後の投資判断のポイントです。

④ 米国ISM製造業景況指数(7月1日)

ISM製造業景況指数は、米国の製造業の景況感を示す月次指標です。50を上回れば景気拡大、下回れば景気縮小を示します。雇用統計(7月2日)の前日に発表されるため、景気の方向感を先読みする手がかりとして機能します。

  • 50超:製造業が拡大局面にある
  • 50割れ:製造業が収縮局面にある
  • 予想との乖離(かいり)がポイント

半導体・電子部品・自動車などのグローバル需要と連動する指標でもあり、AI関連の設備投資需要が実体経済に反映されているかどうかを確認する材料になります。

ISMが予想を上回れば景気の底堅さが確認され、ドル高・円安が進みやすくなります。輸出関連銘柄(自動車・精密機器など)の株価への影響と合わせて確認するとよいでしょう。

⑤ 日本5月経済指標(6月30日)

6月30日には日本の5月分の経済指標が複数まとめて発表されます。国内経済の足元の状況を確認するうえで重要なデータです。

  • 5月完全失業率:雇用の安定性を示す
  • 5月有効求人倍率:求人需要と求職者のバランスを示す
  • 5月鉱工業生産指数(速報):製造業の生産活動を示す

鉱工業生産指数は自動車・電子部品・半導体などの生産動向が反映される指標で、企業の設備稼働率や受注動向とも連動します。内需の強弱を確認する材料として、7月30〜31日に控える日銀金融政策決定会合への影響も意識されます。

堅調な雇用・生産データが続けば、日銀の追加利上げ観測が強まる可能性があります。金融株や内需関連銘柄への影響を念頭に置きながら確認しておくとよいでしょう。

まとめ

今週から向こう2週間の株式市場は、AI・半導体株の急落後という難しい局面でスタートします。相場の方向性を左右する軸は主に3つです。

まず、7月2日発表の米国雇用統計です。結果の強弱がFRBの利下げ観測を動かし、グロース株の戻りか失速かを決める分岐点になります。

次に、AI・半導体株の値動きの安定です。OpenAI IPO先送り観測と韓国半導体株の余波がどこで止まるかが、市場全体のセンチメントを左右します。回復が早ければ出遅れ銘柄にも資金が戻りやすくなります。

そして、ETF分配金需給の乗り越えです。7月上旬の需給イベントは一時的な売り圧力ですが、急落局面と重なることで下押し効果が増幅される場合もあります。通過後に相場が落ち着くことを念頭に置きながら、焦らず対応することが大切です。

資金の流れとしては、AI・半導体株から内需・ディフェンシブ株への一時的なシフトが想定されます。雇用統計通過後にリスクオンの機運が戻れば、グロース株への資金回帰も起きやすくなります。各イベントの結果を順番に確認しながら、落ち着いて相場に向き合いましょう。

カブヘッジ

ダッチ

この記事を書いた人

youdate/RabbitData 運営

  • 元証券会社勤務
  • 個人投資家歴10年以上
  • 日本株・テーマ株投資を中心に運用

X(旧Twitter):@kabuhedge

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