市況分析

2026年5月第4週の株式市場|権利付き最終日・PCE・米雇用統計が焦点

2026年5月第4週の株式市場|権利付き最終日・PCE・米雇用統計が焦点

今週の相場水準

指標 数値
日経平均株価 63,339円
PER 18.03倍
PBR 1.87倍
EPS 3,513円
BPS 33,871円
益回り 5.55%
配当利回り 1.60%

PERは18.03倍で、一般的な適正レンジとされる13〜21倍の中でも上位圏に位置しています。企業業績の拡大がバリュエーションをある程度裏付けている状況ですが、上限に近い水準でもあり注意が必要です。

今週の相場コメント

今週は「AI・半導体主導の最高値相場」×「米イラン停戦延長で地政学リスク緩和」×「権利付き最終売買日前後の需給変動」の3軸が交差する週です。5月22日に日経平均は1,654円高の63,339円と史上最高値を更新しました。AI・半導体関連への資金集中が続く一方、米国・イランの停戦延長に伴う原油価格の落ち着きが投資家心理を改善させています。5月27日の権利付き最終売買日に向けて配当・優待目的の買いが需給を支えますが、翌28日の権利落ち以降は短期的な調整圧力も意識する必要があります。

今後14日間のイベント一覧

  • 2026年5月25日 米国・英国・香港 休場(メモリアルデー)
  • 2026年5月26日 米3月ケース・シラー住宅価格指数発表
  • 2026年5月26日 米5月消費者信頼感指数(コンファレンスボード)発表
  • 2026年5月27日 4月企業向けサービス価格指数発表
  • 2026年5月27日 5月末権利確定銘柄 権利付き最終売買日
  • 2026年5月28日 5月末権利確定銘柄 権利落ち日
  • 2026年5月29日 米4月PCEデフレーター(コアPCE)発表
  • 2026年5月30日 5月末 機関投資家リバランス集中日
  • 2026年6月1日 米5月ISM製造業景気指数発表
  • 2026年6月3日 米5月ADP民間雇用者数発表
  • 2026年6月5日 米5月雇用統計発表
  • 継続 米イラン停戦延長・核交渉の行方(ホルムズ海峡封鎖の解除条件)
  • 継続 日米通商交渉(自動車・農産物関税)
  • 下旬 G7サミット(6月15日〜17日、フランス・エヴィアン)

注目イベント5選

① 5月末権利付き最終売買日(5月27日)・権利落ち日(5月28日)

5月末を権利確定日とする銘柄の権利付き最終売買日が5月27日(水)です。配当金や株主優待を受け取るには、27日までに株を購入しておく必要があります。翌28日(木)が権利落ち日となり、理論上は配当相当額分の株価調整が起きます。

  • 5月27日に向けて高配当・優待人気銘柄の需要が高まりやすい
  • 権利落ち日(28日)は配当相当分の株価下落が理論値として発生する
  • 権利落ち後の「買い戻し」が入るかどうかが相場の方向性を左右する
  • 月末のリバランス売りと重なるケースもあり、需給の読みが難しい時期となる

権利落ち日以降は短期的な売り圧力が出やすい傾向があります。ただし、市場全体のムードが強気であれば、権利落ち分を埋める動きも起きます。高配当銘柄や銀行・商社などインカム系の銘柄で特に動きが出やすい局面です。

高配当銘柄の保有継続を検討している場合は、権利落ち後の株価水準を確認したうえで長期保有の判断を行うのが基本です。短期取引では権利落ち後の需給変化をモニターすることが重要です。

② 米4月PCEデフレーター(5月29日)

FRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策の判断で最も重視するインフレ指標がPCEデフレーター(特にコアPCE)です。5月29日(金)に4月分が発表される予定です。FRBの利下げ姿勢に直結するため、株式市場・ドル円両面で大きな値動きが起きる可能性があります。

  • コアPCEが市場予想を下回る→利下げ期待が高まり、株高・円安要因
  • コアPCEが市場予想を上回る→利下げ期待が後退し、株安・円高要因
  • 直近の4月CPI(消費者物価指数)がすでに発表済みで、その方向感が参考になる
  • メモリアルデー明けの3連休後の相場と重なり、市場の反応が増幅しやすい

PCEが予想通りに落ち着いた数字であれば、FRBの年内利下げ期待が維持され、株式市場にとって追い風となります。特に成長株・グロース系には金利動向の影響が大きく、発表前後の動きに注目が集まります。

発表前後はドル円や米国株先物の動きを確認しながら、日本株のリスク管理をする場面です。ポジションを落として発表を待つ投資家も多く、直前の出来高縮小には注意が必要です。

③ 米イラン停戦延長・核交渉の行方(継続)

米国とイランは2026年2月末からのホルムズ海峡封鎖を背景に断続的な軍事・外交対立が続いています。5月22日の日経平均急騰(+1,654円)は米イランの停戦延長への期待が主因のひとつでした。現在も核合意に向けた交渉が継続中であり、交渉の進展・決裂次第で市場が大きく動く可能性があります。

  • 停戦延長・交渉継続→原油価格の落ち着き、リスクオン継続
  • 交渉決裂・軍事行動再開→原油急騰、防衛・海運銘柄上昇、景気敏感株は下落
  • ホルムズ海峡封鎖解除→輸送コスト低下、エネルギー輸入コスト減で日本株全体に追い風
  • 原油価格は停戦期待で高値圏からやや落ち着きが見られるが、引き続き注視が必要

中東情勢が日本株に与える影響は大きく、原油価格の動向は企業コストや消費に直結します。停戦が安定的に続くシナリオでは、エネルギーコスト低下による企業業績改善期待が続きます。一方、交渉が再び難航すれば、防衛関連やエネルギー株への資金シフトが起きやすい局面です。

中東情勢に影響を受けやすい海運・石油関連株の動向を定期的に確認しておくことが重要です。また、原油価格の変動は為替(円安・円高)にも波及するため、日本株全体へのセカンダリーな影響も意識する必要があります。

④ 5月末・月初の機関投資家リバランス(5月30日〜6月2日)

月末・月初は機関投資家(年金・運用会社)のリバランス(資産配分の調整)が集中する時期です。特に5月末は株式・債券の比率調整に伴う売買が増加するため、相場の方向性とは無関係な需給変動が起きやすい局面です。日経平均が高値圏にある現状では、株式比率を落とす「リバランス売り」が出やすい環境です。

  • 月末の株式リバランス売りは株価の短期調整要因になりやすい
  • 月末・月初の債券・株式間の資金移動で相場が一時的に荒れやすい
  • 6月1日発表の米ISM製造業景気指数との複合インパクトに注意
  • 過去のパターンでは月初(6月2日以降)に買い戻しが入るケースも多い

一時的な下落があっても、リバランスによる売りは継続的な下落トレンドとは性質が異なります。短期取引では月末の乱高下に注意し、中長期投資家にとってはむしろ押し目形成の場面になることがあります。

リバランス売りが予想される局面では無理な買い増しを避け、持ち高管理を徹底することが基本です。月初(6月1日以降)の方向感を確認してから判断するのが安全な戦略です。

⑤ 米5月雇用統計(6月5日)

米国の雇用統計は、FRBの金融政策判断に直接影響を与える最重要経済指標のひとつです。6月5日(金)発表予定の5月分は、足元の米国景気の強弱を示すとともに、FRBの次回FOMC(6月28〜29日)での利下げシナリオを左右します。日本株への影響はドル円経由で波及します。

  • 雇用者数が予想を上回る→米景気の強さを確認、ドル高円安→日本株輸出関連株に追い風
  • 雇用者数が予想を下回る→景気減速懸念→株安リスクとFRB利下げ期待が交錯
  • 失業率・平均時給の動向がインフレ持続性の観点から特に注目される
  • 前週発表のADP雇用統計(6月3日)が先行指標として参考になる

雇用統計は世界中の市場参加者が注目する指標であり、発表後に株式・為替・債券市場が同時に大きく動くケースがあります。特に現在のような高バリュエーション相場では、サプライズが出た際の調整幅が大きくなりやすい点に注意が必要です。

雇用統計の前後は、株式・為替のポジション調整が活発になります。長期保有目的の投資家は過度に反応せず、短期的な乱高下を利用したエントリーポイントの検討が現実的な対応です。

まとめ

今週から2週間の相場を動かす重要軸は以下の3点です。

  • 需給軸:権利付き最終売買日(5月27日)前後の配当・優待銘柄への資金集中と、月末リバランス売りの交錯
  • インフレ・金利軸:米PCEデフレーター(5月29日)と米雇用統計(6月5日)によるFRB利下げ観測の方向性確認
  • 地政学軸:米イラン停戦継続か交渉決裂かによる原油価格と市場センチメントの変化

資金フローとしては、高配当・優待銘柄への短期的な買い集中が5月27日まで続き、その後は月末リバランスを経て月初(6月)に方向感が出てきます。米PCEと雇用統計が想定内の結果であれば、AI・半導体主導の強気相場継続が基本シナリオです。一方、インフレ再加速や米イラン交渉の決裂などのリスクイベントが重なった場合は、短期的な調整局面への備えが必要です。

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この記事を書いた人

youdate/RabbitData 運営

  • 元証券会社勤務
  • 個人投資家歴10年以上
  • 日本株・テーマ株投資を中心に運用

X(旧Twitter):@kabuhedge

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