
今回は現在停滞気味なゲーム株を取り上げます。
直近6ヶ月のゲーム関連株は、「テーマ資金流入→過熱→バリュエーション修正」という明確な循環を辿った。2025年後半にかけてエンターテインメント株全体が物色され、任天堂・ソニーG・バンダイナムコHDなどは高値を更新。その後、期待織り込み完了と金利・半導体コスト要因を背景に調整局面へ移行している。
この記事では、6ヶ月スパンでの構造変化を整理し、バリューチェーンと指標比較から現在地を客観的に確認します。
なぜ直近6ヶ月で物色されたのか(要因分解)
要因①:クールジャパン戦略の再評価(政策テーマ化)
政府によるコンテンツ産業強化方針が改めて注目された。
- コンテンツ産業を「基幹産業」へ格上げする方針
- 海外売上拡大目標の数値化
- IP輸出産業としての位置付け強化
これにより、
ゲーム・アニメ・映画を含むエンタメ株がテーマ一括物色される局面が発生。
高市政策の中でも重点項目ともなっています。
任天堂・バンダイナムコHD・東宝などが同時高値をつけたのは、この資金フローの影響が大きい。
要因②:Nintendo Switch2サイクル期待
任天堂の次世代機サイクル入りが意識された。
ゲームビジネスは明確な循環構造を持つ。
- 初年度:ハード普及(利益率低)
- 3〜4年目:ソフト収益最大化(利益率高)
- 終盤:ハード成熟→減速
Switch2サイクル期待が先行し、PERが一時50〜60倍水準まで拡張。
ただしこれは利益実態よりも期待先行型評価だった。
要因③:AI活用による開発効率改善期待
AI活用がゲーム開発コスト削減テーマとして浮上。
- 開発期間短縮期待
- 中小企業の復活期待
- 制作効率改善による利益率向上期待
しかし実際には、
AIは「制作効率」を改善しても「需要そのもの」を増やすわけではない。
そしてアンソロピックの台頭により、「ゲームは誰でも作れる」といったムードが高まっていったことによって、株価の低迷にもつながった。
ただ、ある程度のものはAIでも作成できるが、最終的にヒットゲームを作るためのクオリティを出すのはまだまだゲームメーカーに分があると個人的には思っているので、きちんと差別化できるとセクターの転換にもなり得るだろう。
対象銘柄の位置づけ(バリューチェーン整理)
(A)プラットフォーム支配
- 7974:任天堂(ハード+IP)
- 6758:ソニーグループ(PSプラットフォーム)
(B)IP保有型コンテンツメーカー
- 7832:バンダイナムコHD
- 9684:スクウェア・エニックスHD
- 9697:カプコン
- 9766:コナミG
- 3635:コーエーテクモHD
(C)複合エンタメ型
- 6460:セガサミーHD
ポイントは
プラットフォーム保有企業は循環主導権を持つ
IP企業はヒット依存度が高い
という構造差。
ぽこあポケモン発売
Switch2から3月5日(金)にぽこあポケモンが発売されます。
https://www.pocoapokemon.jp/ja/
Googleトレンドでも多くの人に検索されていて、Xなどでも多くの方が呟いているので注目度が上がっています。おおよそポケモン+あつ森みたいなゲームのようなので、新しいポケモンのジャンルとしてもおもしろそうなゲームではあります。
ぽこあポケモンの関連銘柄としては、任天堂、そしてコーエーテクモが関連となってくるので、これらの企業になってきます。
指標比較:予想PER・PBR・時価総額
直近株価ベース概算(2026年3月時点)
| コード | 銘柄 | 予想PER | PBR | 時価総額 |
|---|---|---|---|---|
| 7974 | 任天堂 | 約30倍前後 | 約4倍 | 約13兆円 |
| 6758 | ソニーG | 約25倍前後 | 約1.5倍 | 約18兆円 |
| 7832 | バンナムHD | 約20倍 | 約3倍 | 約2.6兆円 |
| 9684 | スクエニHD | 約30倍 | 約2.7倍 | 約9,000億円 |
| 9697 | カプコン | 約35倍 | 約5倍 | 約2兆円超 |
| 9766 | コナミG | 約30倍 | 約4倍 | 約2.5兆円 |
| 3635 | コーエーテクモHD | 約25倍 | 約3倍 | 約7,000億円 |
| 6460 | セガサミーHD | 約20倍 | 約1.5倍 | 約6,000億円 |
見方のポイント
- Switch2期待で拡張したPERは既に修正局面入り
- IP強度の高い企業ほどPBRが高水準
- ヒットタイトルなどが出てくると、もう一度跳ねる基準にまできているとの見方もあり
まとめ:
直近6ヶ月のゲーム株は
- 高PERの是正
- 半導体高騰によるハードメーカーの停滞
- ファンダメンタルの適正基準への回帰
というような要素により停滞していました。まだ復活したとは言えないですが徐々に低下率は減ってきている傾向が見えてきています。ゲーム株含めエンタメ関連銘柄の高値が2025年8月頃であったことから、信用の周期から考えてもそろそろ反転する時期、とも考えられます。
ハードの利益率がなかなか見込みにくい局面だったとしても、ソフトのヒットが出れば利益率も高く反転が見込めます。ぽこあポケモンや各スマホゲームタイトルなどの動向も追っておくことにより、これらの銘柄の投資判断にも役立っていくことでしょう。
ゲームを楽しみながら、このセクターの投資も頑張っていきましょう。
※投資判断はご自身でお願いします