
直近の株式市場では「原油高メリット銘柄」がテーマ株として再び注目されています。背景には中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇があり、WTI原油先物は100ドル台を回復する場面が見られました。供給不安の高まりを受けて、石油開発会社や資源関連株への資金流入が確認されています。
実際にINPEXや石油資源開発などの上流企業は株価上昇が目立ち、テーマ株として市場の注目が集まりました。
そこで今回は、原油価格上昇が株式市場でどのような構造で物色されているのかを整理し、関連銘柄の指標や分析をしていきます。
なぜ直近1ヶ月で盛り上がったのか
要因①:中東情勢の緊迫化による原油価格上昇
中東地域の地政学リスクが高まり、原油供給への懸念が強まりました。
中東は世界の原油供給の中心地域であり、情勢悪化は価格上昇の要因となります。
- 中東情勢の緊張により供給リスクが拡大
- ホルムズ海峡の輸送リスクが意識される
- WTI原油価格が上昇しエネルギー関連株が物色
この結果、原油価格上昇の恩恵を受けやすい資源開発企業に資金が流入しました。
要因②:資源開発企業の利益感応度の高さ
石油関連企業の中でも「上流(探鉱・開発)」企業は原油価格の影響を直接受けやすい構造です。
- INPEXや石油資源開発は原油価格と業績の連動性が高い
- 原油価格上昇により収益期待が高まりやすい
- 原油高局面ではテーマ株として注目されやすい
そのため原油価格が上昇すると、まず資源開発企業に資金が入りやすい傾向があります。
要因③:エネルギー供給不安による代替資源テーマ
原油供給の不安が高まる局面では、代替エネルギーにも関心が広がります。
- 石炭:原油の代替燃料として需要が意識される
- エネルギーETF:原油価格連動商品への資金流入
- エネルギー関連株全体に物色が拡大
今回の局面でも、石炭関連銘柄や原油ETFなど、エネルギー関連の周辺銘柄まで物色が広がりました。
対象銘柄の位置づけ(バリューチェーン整理)
原油関連銘柄は、エネルギー産業のバリューチェーンで整理すると理解しやすくなります。
(A)上流:資源開発(原油価格の影響が大きい)
- 1605 INPEX:国内最大の石油・天然ガス開発会社
まずは石油関連の大手ということで、よく注目される銘柄です - 1662 石油資源開発:国内外で石油・天然ガスの権益を保有
石油やレアアースなど注目すべきテーマが多い銘柄です
(B)中流・下流:精製・販売
- 5020 ENEOS:国内最大級の石油元売り
ガソリン価格への価格転嫁がスムーズに行えれば面白い銘柄です。その他ガソリン小売関連も併せて見ておきましょう
(C)代替エネルギー
- 1514 住石ホールディングス:石炭関連(代替エネルギー需要)
原油、ではなく原油が取得しにくくなった時の代替手段として石炭が必要になった際に注目される銘柄です。
(D)商品連動
- 1671 WTI原油ETF:原油価格に連動する上場投資信託
そもそも原油が上がるんだったら原油の指数を買っておけば良いですね。ただ、直近はボラが大きいのでリスク管理はしっかりしておきましょう
このように「資源開発 → 精製 → 代替資源 → 商品連動」といった形で、原油テーマは複数の層に広がっています。
指標比較:予想PER・PBR・時価総額
原油関連銘柄は業種によって収益構造が異なるため、バリュエーション比較を行う際は目安として見てもらえればです。
| コード | 銘柄 | 予想PER | PBR | 時価総額 |
|---|---|---|---|---|
| 1605 | INPEX | 約12倍 | 約1.1倍 | 約5兆円 |
| 1662 | 石油資源開発 | 約8倍 | 約1.3倍 | 約7000億円 |
| 5020 | ENEOS HD | 約12倍 | 約1.2倍 | 約3〜4兆円 |
| 1514 | 住石ホールディングス | 約10倍 | 約1倍 | 約1000億円前後 |
| 1671 | WTI原油ETF | ― | ― | ETF(商品連動) |
見方のポイント
- 上流企業(INPEX・石油資源開発)は原油価格の影響を受けやすい
- 石油元売り(ENEOS)は精製マージンの影響も受ける
- ETF(1671)は企業業績ではなく原油価格そのものに連動
- 住石のように直接原油関連ではなく、その他に派生するものを考えていけると投資機会が増えていきます。
まとめ:
今回のアメリカによるイラク攻撃でホルムズ海峡が封鎖に近い状態になるなど、日本には非常に大きい影響が出そうです。
今回の影響は下記のようなところに出てきます。
- 中東情勢による原油供給不安
- 原油価格上昇による資源開発企業の収益期待
- 代替エネルギーへのテーマ拡大
エネルギー関連は平時にはそんなに注目が少ないことも多いですが、今回のような有事では軍事関連などと併せて最も注目されるセクターの一つであります。また、資源が少ない日本ではどうしても海外の動向に大きく左右されることもあるので、この対処法も考えておく必要があります。今回の危機により他のエネルギーを作れるように高市政権が考えてくる可能性もあるので、そういう銘柄にも注目していきましょう。